順延分の追加日程が発表されました。

パ・リーグの、ソフトバンクとロッテの優勝争いは、最終カードの直接対決までもつれ込めば、直接対決で今季勝っているロッテが有利とみられていましたが、発表された追加日程で、これまでの最終カードの後に、それぞれ西武戦が一試合ずつ組まれました。

最終盤の西武戦まで持ち込めば、西武に勝てていないロッテに不利となり、西武が勝つことでソフトバンクの優勝が決まるシナリオの可能性も数パーセント出てきました。

ソフトバンクとロッテの、優勝決定日確率

これから佳境に突入するパ・リーグの優勝争いから目が離せません!


2010年のパ・リーグと言えば、残り6試合で首位を走っていた西武が、3.5ゲーム差で追いかけるソフトバンクに土壇場で3連敗し、その勢いでソフトバンクが優勝した大逆転がありました。

2010年9月16日、3連戦直前の優勝確率を計算してみると、
西武 96.4%、ソフトバンク 3.3%、ロッテ 0.3%
と、西武が優勝濃厚ながら、ソフトバンクにも 3.3%の逆転のチャンスが残っていたようです。2010年のこれまでの直接対決は、西武が14勝7敗と大きく勝ち越していたので、優勝の確率も大きくなっています。しかし、実際は、最終盤にソフトバンクに3連敗し、0.5ゲーム差に詰められてしまいます。

この天王山3連敗は、その後、西武ファンの悪夢として語り継がれるわけですが、3連敗した直後の優勝確率を見てみると、
西武 55.1%、ソフトバンク 44.6%
と、まだまだ西武が若干優勢だったので、むしろ、その後の 3~4試合に残された 55%のチャンスも掴めなかった事の方が痛手だったかもしれません。

優勝争いの最終盤に他力(他の4チームの働き)が大きく左右することは多くあるので、マジックの点灯や消滅、自力の消滅など、「自力」に少しこだわりすぎているのではないかな、と思います。

さらに、この年は3位に滑り込んだロッテがクライマックスシリーズで下剋上を起こして日本一となるなど、終盤に波乱が待ち受ける1年でした。

余談ですが、日本シリーズが「両リーグの優勝チーム同士の決戦」じゃなくなったのなら、呼び方も変えて「クライマックスファイナル」にして、リーグ内クライマックスシリーズは、それぞれ 1st, 2nd ステージと呼んだ方が良いのでは? と思ったりしてます。

長いペナントレース、最後まで何が起こるか分かりませんね。


2019年9月、ソフトバンクに西武が猛追を見せています。優勝確率を見ると、ソフトバンクが踏ん張りきった印象ですが、ここで補足させてください。

ここで使われている計算モデルには2種類あります。2008年頃から使っている旧エンジンと、2016年から開発を始めた新エンジンです。

新エンジンは、旧エンジンの「チームごとの相性」に加え、「球場との相性」や「最近の勢い」を考慮した計算モデルになっています。その代わり、計算速度がとても遅く、新エンジンを使って確率順位を出そうとすると、とても時間がかかるので、全部を切り替えるには至っていません。(短時間で計算しようとすると、確率の小さいシナリオが考慮されない)

メインの順位確率には旧エンジンを、優勝決定日確率には新エンジンを使っています。この違いから、現在、優勝決定日確率を全て足すと西武の方がソフトバンクより確率が高い(執筆時点)のに、順位確率ではソフトバンクの方がかなり有利という数字が出ています。

これはどちらが正しいというわけではなく、計算の手法の違いによるものですが、やはり新エンジンの方が終盤の展開を再現するのに良いモデルだと思って開発しておりますので、終盤の優勝争いの確率を把握するには、優勝決定日確率の方もあわせて参考にして頂ければと思います。

「最近の勢い」を考慮することで、長いシーズンで大きくメンバーが入れ替わったチームなどの序盤の成績が反映されにくくなります。また、直近で連勝しているチームを大きく評価します。ただ、(ご存じのように)野球では、大連勝から大連敗に転じることもままあり「勢い」を考慮すると、確率の乱高下を招きます。その点は旧エンジンの方が安定しています。一長一短です。

これらの開発には、サポータの方より援助を頂いております。心よりのご支援を結果にして還元できるよう、改良を続けて参ります。


ソフトバンクがなかなか優勝確率を上げられないでいる間に、西武が勝ちを重ねて追い上げてきました。

8/29 終了時点での2チームの優勝確率は、
ソフトバンク 74.1%、西武 22.6%

8/30 からの3連戦の結果で、優勝確率がどのように変わるか、仮定の計算してみましょう。

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