アメリカ2年目の冬が始まった頃の話。ビッグバンを再現する加速器実験に参加していた私は、加速器で加速された重イオンが衝突したタイミングや位置を計測する検出器を1人で担当していた。2年目にしてはかなりハードな役割であった。

巨大な加速器が2週間前から動き始め、加速器グループの人たちから「今晩にも最初の衝突が起こる」と、シフトクルーに連絡が入った。実験は24時間体制で、8時間×3シフトが組まれていた。半年近くの実験期間がいよいよ始まろうとしているときだった。前日からいよいよイオンの衝突が始まろうとしており、私は徹夜の2日目だった。なんせ、私の検出器が重イオンの衝突のタイミングを決定しなければ、他の全ての検出器のタイミング調整ができないので、真っ先にチューニングを終えないといけない。一人でこれを行うのは初めてだったが、それなりに予習もしたし、なんとかこなせると思っていた。

加速器制御室から、私たちの居る実験計測室に入電。次の加速後に衝突を試みるとのこと。シフトリーダーが私に測定器のチューニングをするように指示を出した。しばらくして加速器は順調に2方向にイオンを加速し始め、僅かな時間ではあったが衝突が起こった。私の作ったオンラインモニターが、衝突が起こったことを知らせた。早速タイミングあわせのためのデータを解析しはじめたが、グラフを見て頭が真っ白になった。これまでに見たことがない、全く理解できないパターンを示していた。「Yuji, タイミングはどうだ?」とシフトリーダーに聞かれたが、「わからない」としか答えられなかった。

まだまだ実験も序盤で、色々な問題も並行して発生していたため、それぞれがまた忙しく動き回った。私はひとりで頭を抱えていた。そんな中、ひとり、暇そうなおじいちゃんが居た。どこかの大御所先生なのだろうが、彼のシフトは2時間に1回、100個ほどのガス圧や流量計をチェックするだけの役目で、その時間以外は比較的暇だったのだ。彼は私に「何か問題でも?」と聞いてくれた。私の見ていたグラフは少し専門的なので、かみ砕いておじいちゃんに説明して、こんなグラフが出るわけが無いんだという事を説明した。おじいちゃん先生は、ふむふむと聞きながら、時折「なぜ、そうなるの?」と聞いてきた。当時の私は「仕方ないな、おじいちゃんにも分かる様に説明するとね…」とは言わなかったけども、そのぐらいの生意気な態度でかみ砕いて説明していた様に思う。

しばらく、その「なぜ?」が続いたあと、私は、とても不確定か仮定の下に一人相撲をしていることにやっと気付いた。データを取った数分間の間にも、加速器側のパラメータが大きく変動していて、様々な状態が連続して発生していた。それらが重なったまま1つのグラフに表示させたため、見たことのない構造が見えていたのだ。

何の事はない。まだ加速器の方が安定運転に入ってないのだ。原子核の衝突タイミングが安定してからでなければ、検出器のタイミングを合わせられる訳がない。

多分、私の話の細部までは、先生には伝わってなかっただろう。私の理解もまだ不十分だったし、見せていたグラフも、全く説明不足のものだったからだ。しかし、こうした実験の始まりには、加速器も不安定だというのは、その先生の長い経験からは明らかだっただろう。それを、私の拙い英語を延々と聞いてくれた上で、そこに誘導してくれたのだ。「馬鹿、お前の主張は理解できんが、ともあれ、そんなの加速器が安定してからやれば良いんだ」と言う方が簡単だっただろう。しかし、先生は私の話を辛抱強く笑顔で聞いてくれ、的確な「なぜ?」で、結論に誘導してくれたのだった。

私は先生にお礼を言い、シフトリーダーに「加速器が安定したら呼んでくれ」と言って、宿舎に戻った。

それから15年、勉強会のブレインストーミングをやったとき、まず「どんな意見も否定しない」というルールを聞いたとき、あのおじいちゃん先生の顔が浮かんだ。趣旨は少し違うけれども、相手の話をうまく聞くだけで、相手の意見を熟成させたり、時に間違いに気付かせることができる。もしかしたら、その上で、私の話を楽しんでくれていたのかもしれない。そんな気がした。


消費税増税に伴う経済対策や軽減税率の制度が色々議論されています。

しかし、根本的な疑問。

そもそも、税とは、金が金を呼ぶ資本主義において、富の再分配を行い、国民に(そこそこ)等しく公共サービスを提供するためにあるはずです。高所得者には損になるけれど、低所得者には有利になるべきはずのもの。

増税そのものが低所得者の首を絞めるような税なら、そもそも税設計に問題があるのでは? そもそも、消費するためには所得が必要なので、所得税で集めれば十分なはず。

消費税を徴税するために民間が支払っている経理コストをざっくり見積もると、月3万円×12ヶ月+決算期14万円 = 50万円、×200万社で1兆円単位なんですよね。軽減税率が加わればよりややこしくなります。ホント無駄なコストです。

官僚は「所得税は景気に左右されやすいが、消費税は安定財源になる」と言いますが、景気を安定させるのは財務省の最大の仕事なので、そこはそちらが頑張るところでしょうに。

また、世界で値下げ競争が激化している法人税ですが、日本でも色々な減免政策がとられていて、大企業への実効税率が大幅に抑制されているんです。そういう減免が受けられない中小企業が3割近く納税しているのに、大企業は利益に対して非常に軽い税率になってしまっている。富の再分配から言えば間違いとも言えますが、しかし、大企業の設備投資や先行研究が明日の日本経済を引っ張っていくので、これを阻害するのは自分の首を絞めることにもなります。そもそも利益の少ない中小企業の納める法人税額などたかがしれているので、いっそ、シンプルに、一律減税してしまえばいいと思います。国際大企業の拠点が租税回避地にどんどん逃げてしまうより、アジアの拠点として日本を使って貰うほうがはるかに大事ですよ。

社会保険関係の税金も、半分企業負担というインチキ。給与明細には、額面25万、天引き5万、会社負担も5万、手取りは20万円、となってますが、企業経理から見ると、人件費30万円、納税10万円、手取り20万円になっているわけで、見た目の天引き額を半額にしているだけ。完全なまやかしです。

また、国民健康保険税など、超高所得者への税率が極端に下がるなど、おかしな税率になっているし、そもそも社会保険庁が国税庁と別にこの徴収を行うのは無駄も多いので、所得税に組み入れて単純化すべきです。

税金なんて、究極的には3種類で良いんです。

  • 社会サービスと富の再分配のための所得税
  • 死蔵資産を社会に還元させる資産税
  • 機会の平等を担保するための相続贈与税

ついでに、国会議員の報酬は、固定給を8割減して、出来高制にしたらどうかと。

素人のどうでもいい話に、お付き合いありがとうございました。


急場しのぎで立ち上げたサポーター制度ですが、数日の間で、数名の方よりご支援を頂きました。事前アンケートでも、無料でデータを公開しつつも、せっかく払うのなら、何かしら見返りがあるといいよね、という、とても寛大で自然なご意見を多く頂いたので、基本データに加えて、心ばかりのサポーター限定コンテンツを無理矢理用意しました。今後も、無理矢理用意していきます。

正直、この限定コンテンツの代金だと思うと、とんでもなく割高なものを売りつけていますが、コンテンツの企画・運営も、霞を食べては続けていけないことに、こうして、現金という具体的な形でご支援頂けること、とてもありがたく、尊く思っております。

資本家でもなんでもない、田舎の貧乏百姓の家に生まれても、高等教育を受けることができ、そこで学んだ知識を、こうしたプロジェクトにつぎ込み、これが会社の仕事として継続出来れば、本当にありがたい人生です。

色々な形でのご支援を頂いておりますが、最終ゴールで必要な「毎日のリアルタイムデータ」がとても高額なので、頂いたご支援に対し、どう応えていくかが問われてきます。とても難しいですが、今のところ、このようなロードマップを描いています。

  • まず、継ぎ接ぎだらけのプログラムとWebサイト・サーバ類を整理する。10万円ぐらいで随分良くなる。
  • 環境が整えば、現在のモデルに先発投手を考慮した拡張を導入する。最終目標に比べれば簡易な計算ではあるが、随分面白くなるはず。ここまでを来シーズンに間に合わせたい。
  • (ここが最初の時間とコストの壁)
  • 100万円ぐらい集まったら、テンソル計算の速い計算機を揃えたい
  • ずっと思い描いていた、選手単位でのシミュレーションを実装してく。たぶん3ヶ月ぐらいで最初の成果物が出せる
  • (ここに大きなコストの壁)
  • 数百万円集まったら、係数導出用データが買える。これで、開発した選手単位の計算モデルでの計算ができるようになる。
  • ていうか、これで数百万集められたら、それは凄いことで、きっとテレビ局からオファーがあって、中継とのタイアップとかもできるはず
  • (ここに大きな時間の壁)
  • それに耐えられる品質にするためには、更なる計算能力と2年ぐらいの調整が必要だが、マネタイズの幅も広がってくるはず

継続しているうちに、また色々な可能性が出てくると思います。ほぼ白紙委任でご支援頂くことで、柔軟な方針転換ができます。これまでも紆余曲折しながら続けてきたプロジェクトですので、これからも色々な可能性を探っていきます。

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コンテンツの安定的な運営と、更なる拡張に向けて、有料サポーターの募集を行います。ご賛同頂ける方のご支援を賜れれば幸いです。

★サポーターになる

2014年に公開し、少しずつ手を入れてきた「プロ野球確率順位」のページは、万人受けするコンテンツでないにもかかわらず、おかげさまで、2018年シーズンは、これまでにない多くの方に楽しんで頂けるコンテンツとなりました。

この計算には1日数千円のコストがかかっており、趣味で継続するには少し苦しい金額になっています。このサービスを継続し発展させていくために、皆様のサポートが必要です。特別な見返りはお約束できませんが、このプロ野球確率統計モデルの確立をサポートして頂けませんか?

実現したいことを一言で

第一に、本サービスを継続していきたいです。

第二に、「先発菅野に対する、鈴木誠也の期待打率・期待打点」「今日のスタメンに対する、先発菅野の期待防御率」を、毎試合、各選手ごとに計算できるようになったら、もっと面白くなりませんか!?

この新しいコンテンツに価値を与えてください

単純な「過去のデータ」ではない、数理モデルに基づく本格的な確率計算の導入は、プロ野球界で初めての試みではないでしょうか。セイバーメトリクス導入以来の、野球データの革命期にあると思います。

この計算モデルはまだまだ発展途上ですが、大きな可能性があります。先発投手という重要なファクターを考慮するように拡張すれば、先発投手を考慮したオッズや、スタメンの得点期待値、打率期待値などが計算できるようになります。

ただ、その開発と、係数マトリックスを導出するために必要な対戦データのコストが非常に高いので、それに見合う需要があるのか見極める必要がありました。150人以上の方にアンケートにも協力して頂き、たどり着いた答えが、この「サポーター制度」です。

頂いたサポートに対し、どのような見返りが用意できるのか、そもそも社会の役に立つのか、答えに迷っておりましたが、ついに開き直りました。当面は、サポーター限定サロンでの情報交換ぐらいしかご用意できません。それでも支援してくださる方のご支援を賜りたく思います。これでも支援を頂ければ、これがこのコンテンツの価値となり、放送との連携など、これまでできなかった展開も可能になります。

成長に必要なコストは高い

一番苦慮したのは、コストのハードルが高すぎて、確実な見返りをお約束できない心苦しさでした。もちろん、それなりの統計モデルを作る自信はありますが、自信だけで成功するほど世の中は甘くないことも思い知っています。特に、今回のコストの制約は、外部の価格設定によるものですから、私の努力でどうにもできない制約なので、尚更です。

今シーズン中、色々と模索する中で、思いもしない方面から協力の申し出を頂きました。まだ公にできる段階の話では無いのですが、 少しスモールスタートが可能になってきたことも大きな好材料です。

2018年シーズンは、CS決定がシーズン終了前になされる特例が発生する可能性がありました。このようなことが生じた場合、迅速に対応できないと困る状況が生じることもあるのだという事が分かりました。こういうとき、コスト(時間のやりくり費用も含めて)を支援をして頂けるのは、弱小企業の経営者としてはとても助かります。ここでマネタイズしなければ、サービスはいつか継続不可能になってしまうことも知っています。大手企業と異なり、少額のサポートでも、こちらには大変大きな余裕を頂くことができます。

いろいろ考えた結果、PayPal の定期購読という形でご支援を頂くのが、一番無駄がなく、日本円でカード決済できる手段として最適なのではないかという考えに至りました。月額ではなく年額の方が良いという声も頂きましたので、年額をベースにしました。もちろん、この定期支援は、いつでも解除できます。1度きりの支援でも歓迎です。

今後、拡張の過程で形になりそうなものから、ご支援頂いている方を中心にベータ公開し、現在公開している情報にも少しずつ還元しながら、無料公開と限定公開のバランスをとっていきたいと思います。ただ、やはり多くの方に楽しんで頂きたいので、今まで通り無料公開をベースとして、より付加価値のある情報を限定公開としていきます。

選手単位の確率統計シミュレーションモデルの確立

最初に目指したいのは、現在チーム単位で行っているシミュレーションを、選手単位で細かくシミュレーションしていく手法の拡張です。これができれば、スタメンオーダーの各選手と、相手チームの先発投手との相性を、期待打率・得点期待値として計算できます。単純な過去の対戦履歴を用いる方法とは根本的に異なり、独自の統計モデルを用いて計算するため、初対戦でもそれなりに確からしい相性を計算できます。 (全くデータのない一軍初登板の場合には、さすがに二軍成績が必要になります。)もちろん、一軍経験が多くなれば、それだけ統計精度も上がっていきます。

機械学習の手法を取り入れつつも、自分が得意とする統計モデル計算を軸に組み立てていく予定です。この新しい計算手法については、旧知の先生方とも相談して、手法としては大きな穴もなく、実現可能な目途が立ってきました。(決して簡単という事ではありませんが…)

課題と展望

ただ、現在の計算機では、チーム単位での確率計算にも30分ほどかかっているので、選手ごとの相性計算となれば、スタメン発表で計算を開始しても、試合が終わるまでに計算が終わらないとおもわれます。計算の目途が立ってきたら高性能な計算機も用意しなければなりませんし、計算機が用意できたら、リアルタイム情報を購入しなければなりません。ここのコストが大変大きなものとなっているので、ここで予算切れとなってしまう可能性が高いかもしれません。その時はその時、と割切って着地点を探るしかありません。

なにかしら進めていけば、AbemaTVさんのように中継とタイアップすることができるようになることも教えて頂きましたし、継続すれば色々な展開の可能性があると思います。アンケートにご協力下さった皆様、自由記述欄で温かいメッセージを下さった皆様、大変勇気を頂きました。ありがとうございました。

信じて頂いたのに、思うようなものができない、という最悪のシナリオが常に頭をよぎりますが、ここは、皆さんに信じて頂けている自分を信じて前に進みたいと思います。

また、この試みが、より野球観戦を楽しくするだけでなく、選手の育成や、怪我の予防、戦力外トレードの促進に役立つようになれば、より野球全体が楽しく盛り上がるのではないかという思いもあります。これは野望が大きすぎますかね? 私は欲張りなのです。


この確率計算の手法を拡張すれば、まだまだやれることがあるのですが、コストが非常に高いこと、それに見合う需要があるのか、どのような見返りが用意できるのか、そもそも社会の役に立つのか、いろいろ考えました。

そんな中での、このアンケートに約150人の方が協力下さり、100人以上の方からポジティブな回答を頂きました。また、15人もの方が、それなりに(私の感覚では)高額な寄付に賛同下さるという驚きの回答もありました。おかげさまで、少し方向性が見えてきました。心より感謝致します。

一番苦慮したのは、コストのハードルが高すぎて、確実な見返りをお約束できない心苦しさでした。もちろん、それなりの物を作る自信はありますが、自信だけで成功するほど世の中は甘くないことも思い知っています。特に、今回のコストの制約は、外部の価格設定によるものですから、私の努力でどうにもできない制約なので、尚更です。

同時に、思いもしない方面から協力の申し出を頂き、もう少しスモールスタートが可能な条件も出てきました。ただ、公にできない提案もあり、いわゆる「クラウドファウンディング」には、ちょっと合わないように思いました。

一方で、今回のCS決定がシーズン終了前になされる特例のようなことが生じた場合、迅速に対応できないと困る状況が生じることもあるのだという事が分かりました。こういうとき、コスト(時間のやりくり費用も含めて)を支援をして頂けるのは、弱小企業の経営者としてはとても助かります。ここでマネタイズしなければ、サービスはいつか継続不可能になってしまうことも知っています。大手企業と異なり、少額のサポートでも、こちらには大変大きな余裕を頂くことができます。

いろいろ考えた結果、paypal の定期購読という形でご支援を頂くのが、一番無駄がなく、日本円でカード決済できる手段として最適なのではないかという考えに至りました。月額ではなく年額の方が良いという声も頂きましたので、そういう選択肢も用意したいと思います。もちろん、月額や年額コースでも、いつでも解除ができます。

正直に申しまして、今の時点でお約束できるものは、サポーター限定コミュニティの開設、ぐらいしか用意できません。このコンテンツを継続可能なものとしてサポートして頂ける方がいらっしゃれば、ご支援をご検討頂ければと思います。

今後、拡張の過程で形になりそうなものから、ご支援頂いている方を中心にβ公開し、現在公開している情報にも少しずつ還元しながら、無料公開と限定公開のバランスをとっていきたいと思います。ただ、やはり多くの方に楽しんで頂きたいので、今まで通り無料公開をベースとして、より付加価値のある情報を限定公開としていきたいと思っています。

最初に目指したいのは、いきなりハードルをあげるようですが、スタメンオーダーの各選手と、相手チームの先発投手との相性を、期待打率・得点期待値として計算できればと思っております。単純な過去の対戦履歴を用いる方法とは根本的に異なり、独自の統計モデルを用いて計算するため、初対戦でもそれなりに確からしい相性を計算できる統計モデルを構築します。 (全くデータのない一軍初登板の場合には、さすがに二軍成績が必要になります。)もちろん、一軍経験が多くなれば、それだけ統計精度も上がっていきます。

機械学習の手法を取り入れつつも、自分が得意とする統計モデル計算を軸に組み立てていく予定です。この新しい計算手法については、旧知の先生方とも相談して、手法としては大きな穴もなく、実現可能な目途が立ってきました。(決して簡単という事ではありませんが…)

ただ、現在の計算機では、チーム単位での確率計算にも30分ほどかかっているので、選手ごとの相性計算となれば、スタメン発表で計算を開始しても、試合が終わるまでに計算が終わらないとおもわれます。計算の目途が立ってきたら高性能な計算機も用意しなければなりませんし、計算機が用意できたら、リアルタイム情報を購入しなければなりません。再三申しているように、ここのコストが尋常ではないので、ここで予算切れとなってしまう可能性が高いかもしれません。その時はその時、と割切って着地点を探るしかありません。

なにかしら進めていけば、AbemaTVさんのように中継とタイアップすることができるようになることも教えて頂きましたし、継続すればどんな展開が待っているか分かりません。今では考えつかない着地点が見つかるかもしれません。

月額や年額では、支援者が減ったとき破綻するのではないか、というご心配を頂きました。もちろん、ご支援を頂くからには、もっと面白いデータをどんどん出して継続していけるよう邁進する所存ですが、もし、皆さんの興味を引けなくなったら、また、できる範囲に縮小して、こうして細々と続けて行ければと思っています。

拡張するからには来シーズンに間に合わせたい(既に日程的には厳しいですが)ので、近日中に paypal での受付を始めようと思っておりますが、まだご意見募集しております。@tsuchim までお願い致します。

アンケートにご協力下さった皆様、自由記述欄で温かいメッセージを下さった皆様、大変勇気を頂きました。ありがとうございました。

信じて頂いたのに、思うようなものができない、という最悪のシナリオが常に頭をよぎりますが、ここは、皆さんに信じて頂けている自分を信じて前に進みたいと思います。

また、この計算が、より野球観戦を楽しくするだけでなく、選手の育成や、怪我の予防、戦力外トレードの促進に役立つようになれば、より野球全体が楽しく盛り上がるのではないかという思いもあります。これは野望が大きすぎますかね? 私は欲張りなのです。


どちらかといえば暗中模索の中で立ち上げた弊社ですが、みなさまのおかげをもちまして、無事第8期に入ることができました。色々なものを10年一区切りで設計しておりますので、あと3年(と少し)で、創業時の「一区切り」を迎えることになります。

10年前とは色々な状況が分かってしまったので、一部は整理しながら、また新しい事に細々と挑戦していきます。

これからどんなサービスが重要になって、どんなサービスが淘汰されていくのか、先を見通すことはますます難しくなっていますが、なんとか、この世界の片隅で、世界を少し良くする仕事ができればと思っています。

今後ともごひいきによろしくお願いします。


「昨日のカレー、作りすぎたので、よかったらどうですか?」

これは、田舎暮らしや、上京したての一人暮らしのアパート(ただし漫画に限る)でよくみられる光景ですね。しかし、これがもっとシステマティックになって、カレーを作りすぎた人とカレーを食べたい人を効率的かつ安全にマッチングできるようになるとどうなるでしょう。(ここでは単純化のため、保健所などの規制は考えないものとします。)

カレーを作りすぎるコストはとても低いです。一方で、カレーを外食するときの販売価格は、そこそこ高いです。もちろん、カレー屋が高すぎるというのではなく、きちんと市販しようと思うとそれなりのコストがかかるのです。

よくカレーを作りすぎてしまうAさんは、カレーを作りすぎた人と、カレーを食べたい人とのマッチングアプリを作りました。家の鍋で一人分を作るのも5人分を作るのもほとんど同じ。ならば、最初から5人分作ってお裾分けしたら良いと思ったのです。カレーを食べるほうも、お裾分け価格で色々なカレーを楽しめるのは、とてもお得です。このアプリはとても流行りました。1年後、その地域の老舗のカレー店は、ひっそりとのれんを下ろしました。

今、巷で起きている第4次産業革命は、こういう事ではないかと思います。

車の相乗り送迎や民泊のマッチングサービスは面白いものですが、いずれも、従来の民宿やタクシーといった専業の方がいらした業種です。それを、素人の提供者と利用者とが、リスクとコストを自腹で抱えることで、その分、安価にしたサービスとも言えると思います。プロが生業として長期的に営業するには、様々なリスクや安全管理コストなども経費として織り込みますので、トータルのサービスコストはどうしても、素人が暇つぶしに提供するものよりは高くなります。一方、それらを束ねる「マッチング会社」は、ここのトラブルのリスクを、当人同士(や保険会社)にリスク分散することが出来ます。当事者が廃業に追い込まれても、顧客の一人が酷い被害を被っても、替わりはいくらでも居ます。そもそも、安価なサービスにフルサービスを要求するなと言う事もできます。

利用者も支払金額こそ少なくてすみますが、電話一本で済むところを、自分で探して手配するコストを払っています。自分はスマホも使えるし、そんなの苦にならない、という方が多いでしょうが、そういう専門技能を無償提供しているのです。他方、提供者も、本来貰えるはずの報酬の一部や、年金などの福利厚生費、リスクを織り込んだ積立などが含まれていない価格で受注しています。その時だけなら良いかも知れませんが、生業でやっていくには、長期的視野に欠けるモデルです。日雇いが基本で貯蓄率の低い国のシステムとも言えるかもしれません。

このような新しいサービスは、こうした「技能やリスクを無料で拠出させる」ことで成り立っているように思います。タダでさえ、日本は、リスクや専門技能に対価を払うことを嫌う風潮があるので、(皮肉にも日本の価値観に合っているのかもしれませんが)、いずれ専門技術全体が、安く叩かれるようにならないか心配です。そうなれば既存の専門職は、技術に見合う対価が得られなくなるので、自由化に反対することは至極当然のように思います。

これまでも、テクノロジーの進歩は、常に専門職を駆逐してきました。電話の自動交換機は電話交換手の仕事を駆逐しましたし、 ガソリンがセルフ給油できるようになりました。 スーパーマーケットのレジも無人になっていきます。

こうした効率的な機械化に伴う省力化とは異なり、第4次産業革命は、リスクと専門技能を、大勢で分散して安売りすることで成り立っているように思います。
これまでのコストカットが、ブラック企業による徹底した人件費削減だとするならば、これらは、人件費を利用者に全て押しつける「トウメイ」ビジネスモデルと言えるのではないかと思います。 利用者もハズレを引けば損をしますし、提供側も、暇だからとうっかり「ひさし」を安価に貸すと、やがて専門技能の価値が社会的に下がり、母屋の価値までなくなることになりかねません。

しかし、この流れを規制で妨げても、世界はどんどん動いていきます。技術に対する収入がきちんと確保できるような制度が必要なのかもしれませんが、今のところ、それを一番上手くコントロールできるのは「公正な市場原理」のような気がします。下手に○○法人に丸投げされた資格認定制度より、「トウメイ企業」による評価制度と市場による淘汰の方がうまく回りそうな気がします。


とある週末、知り合いの社長の奥様がそろそろ車を買い換えたいというので、高級車が並ぶディーラーへお供することになりました。

一足早く、愛車のK11マーチで乗り込んだのですが、車を見るなり「ここはお前の来る所じゃない」オーラ全開の店員達。ま、実際、私の買えるような値段の車はありませんけどね。

そこに、少し遅れて、奥様がやってきました。

本当の「お客様」が来たので、態度を一変させて「○○様、こんにちは。こちらへどうぞ。」と出迎える店員。奥様は、壁際に突っ立っていた僕を見るなり「あら、あなた、試乗でもさせてもらえば良いのに」とおっしゃるので、こちらも苦笑い。

すると、ソファに腰掛けた奥様が店員にこう言ったのです。

「あなた、この子(私のこと)がせっかく見に来とるのに、(試乗車に)乗せてあげんさいやね。そりゃね、今はここの車は買えんかもしれない。でも、がんばって、いつかここの車を買おう、と思わせるのがあなたらの仕事でしょう? それなのに、人を見た目で判断して、買いそうな客だけを相手にしとったら、そりゃあ、ブランドが営業してるだけよ。」

なるほど、それは私も耳が痛い。これまでの職場はレベルの高い職場だったので、自分まで偉くなった気がしていたなあ。営業職ではなかったけれど、まさに自分も「ブランドの営業」だったなあ、と思いました。

「あなたも、肩書きの無い名刺で600万円の車を売ってみなさい。」

若くして夫婦で独立され、成功してきた奥様らしい言葉でした。社長に聞くと、バブル崩壊の時に大胆な不動産投資で大損を出した社長を尻目に、手堅い投資でそれ以上の運用益を出し続けてきた奥様に、社長も頭が上がらないとか。さすがです。


今、どの業種にも求められている能力、それはコミュニケーション能力(コミュ力)だといっても過言ではありません。

それにしても、世の中どうしても話のかみ合わない人がいます。どうしたらいいのでしょう。

しかし、ちょっと考えてみてください。金太郎飴のように均質な教育で同じような思想の人間を大量生産していたのは過去の話です。子ども達は大衆向けテレビよりもお下がりのスマホで YouTube をみてますし、奇抜なアイデアを競うイグノーベル賞では、日本人はもはや常連です。民族的には均質性が高い国かもしれませんが、それに比べて価値観の多様性では世界でも高い方ではないかと思うのです。

ですから、そもそも何もしなくても誰とでも話がかみ合う、なんてのが過去の話なのです。全ての人と会話を成立させるにはそれなりの努力が必要です。

「この人はなんでこんな言い方をするんだろう」「この人はなんでここにこだわるんだろう」そう面倒に感じたときは、その人の目線に立って考えてみましょう。もちろん「思考憑依の魔法」を使えない私たちは想像するしかありませんが、それでも、その人の価値観をくみ取って考えてみてください。その人なりに何かのメリットがあってそのような面倒な考え方をしているはずです。そして、もちろん、その人にとっては「面倒」ではなく、「合理的」な考え方なのです。

例え自分の価値観に合わなくても、その人なりのメリットが理解できれば、まずはそれを一度受け入れてみましょう。その価値観の上にたって、それ以上のメリットを示してみることで、その人の「言葉」で会話できるようになる…かもしれません。まあ、どうしてもわかり合えない人も居ますし、わかった上で、自分の価値観とは相容れない人も居ますが、わけもわからずすれ違うのとは全然違います。

こうした、様々な価値観の上でロールプレイングを行う事は、自分自身の価値観をより豊かなものにしてくれます。コミュ力をさらに磨いていけば、こうした人ともうまくコミュニケーションがとれるようになり、仕事の効率が上がりますよ。こういう人ほど、味方に付ければ仕事の分担をこなしてくれたりするかもよ!


ビットコインなどの暗号通貨、使ってますか?

使ってない人がほとんどだと思いますが、使える場所はどんどん増えています。また、取引手数料の安さから、マネーゲームでは主役になりつつあります。

そもそも、ビットコイン(暗号通貨)とはなんでしょうか。

大雑把に言ってしまえば、世界各国の紙幣は、何も無ければタダの紙切れですが、偽造されにくい対策をとって、色々なものと交換できる保証がされています。最も大きな保証は、その通貨で納税ができるという価値です。その国で生きて商売をするならば、その国の通貨を使う必要があります。ですから、通貨として信用され、お金として機能します。

その「偽造されにくいもの」を電子的に作ってしまったのがビットコインの元々の価値だと思います。もちろん、ブロックチェーンといって、偽造されないだけでなくその遍歴が全て追跡できるなど、電子通貨ならではの付加価値もあり、単純に「通貨」としてのスペックは、紙幣より高いと言えると思います。

ビットコインはどこかの国に管理されているわけではないから信用できない、と言われますが、日本円だって、大暴落が始まれば日本銀行がその価値を無制限に保証することは無理です。ビットコインは、むしろ、国が1つぐらい滅んでも、世界の市場で使えれば価値は残ります。もしかしたら、情勢が不安定な国の通貨よりは信用が厚くなるかもしれません。

ビットコインの欠点は、ここまで頻繁にトレードされることを前提に設計されていないため、トレードに要する時間(計算量)が想定より大きくなってきています。そのため、欠点を修正した「次世代ビットコイン」が何種類か登場しています。より便利なものが残っていくようにも思えますが、通貨はシェアが重要です。多数派が乗り換えなければ「悪貨が良貨を駆逐する」現象も起こりうると思います。ビットコインよりもトレードコストが低く、より複製しにくい新しい技術(新しい暗号通貨)が次々と登場するでしょう。その中で多くの指示を受けるものが現れれば「分岐(フォーク)」が発生するかもしれません。技術的に見れば新しいもののほうが優れていますが、通貨としてどちらが支持されるかはわかりません。金貨が数千年も支持を集めているように、通貨の世界は極めて保守的です。

そのため、暗号通貨の乗り換えに失敗すると、保有している暗号通貨がある日突然暴落するということはあり得ます。そういう意味では安定資産(いわゆる「ガチホ」)としてのビットコインには魅力がないでしょう。長期間保有するには向いていないと思います。ビットコインは2017年までは上がり続けましたが、暴落は突然やってきます。長期保有は危険だと思います。

まとめると、暗号通貨は今後も乱高下を繰り返しながら、しばらくの間上がり続けると思います。しかし、気がついたら価値を失っている事も起こりえます。暴落の予兆を掴むのは極めて難しいため、長期的資産運用(ガチホ)には向かないと思います。

※この記事は個人の感想であり、ビットコインやその他暗号通貨の購入運用を勧めるものではありません。当然内容の保証もできません。