2015年のカープ、無念の4位に終わりました。以下、1年分の愚痴です。
緒方監督は就任1年目で、慣れないこともあったでしょうが、こちらはファン歴30年です。ファンの目が肥えないとチームは強くならないという某バスケットチームオーナーの言葉を信じて、今日は野球素人の古参ファンとして言いたいことを少し。
まず、なんといっても、情報屋としては、データを軽んじた安易なスタメン起用が一番目立ちました。カープの野手は、左右両方の投手に対応できる練習をしてないのですか? もちろん、左右の違いは大きいでしょうが、選手のバッティングスタイルや、投手の球種にもよります。左に打ち込まれている左投げも居れば、めっぽう強い投手も居ます。そして、今やそれをデータ処理である程度はじき出せる時代です。何でもかんでも右なら左、左なら右って、何十年前の采配ですか? 100歩譲って、左右を重視するならするで良いです。それなら、最近の全打席・全投球の結果から、どの程度の統計的有意性を持ってそれを決めているのですか? 解説なんかでも「今シーズンの対戦成績は 8打数 4安打、.500 の相性の良さ」とか言いますけど、8-4 って、95%信頼区間での4安打の誤差は 1.3~6.7 ですよ。この打席で安打が出る確率は16%~84%の間ですと言っているようなものですよ(厳密には違いますけど)。ともかく、そんなデータでは何の意味も無い。
それこそ、データを重視するのであれば、私に任せてくれれば、過去3年間ぐらいの全データから、まず傾向の似た打者や投手を類似度を計算し、それらをウエイトにして足し合わせた対戦成績を算出し、今日は誰を列べるべきかばっちり計算しますよ。
でも、そのオーダーではダメなんです。にんげんだもの。3年間も同じ調子で打ったり投げたりはできません。今シーズンに急成長してくる選手も、怪我で離脱する選手も居ます。かといって、過去3日では情報量が少なすぎます。そもそも野球は運の要素が高いゲームで、あたりが良くても守備範囲ならアウトになるし、ボテボテでも抜ければヒットになるし、勝手に四死球を出してくれることもあります。ですから、本質的に、短い期間の数字では意味のある値が出ません。そこが統計処理の限界。だからこそ、ある程度長期的な(普遍的な)データを基本にしつつも、当日の調子を見極めたり、もっと言えば調子を作っていくのが監督やコーチの仕事なんですよ。良い流れに乗ってる選手、疲れが出ている選手、はたまた相手投手の状態、そういう精神的・肉体的状態を肌で感じて、より調子の良い選手でオーダーを組む、交代させる、それが首脳陣の仕事なんですよ。
何十年もカープを見てきた人なら、今年は何度も思ったはず。「え、今日この選手を使うの?」「まだ投手変えないの」 選手の調子が全然見えてない(追記:終盤明らかに調子を落としていた大瀬良も指を故障していた)。テレビ越しの我々よりも見えてないのではないかとさえ感じることが多々ありませんでしたか? 掴まりかけていている投手の無理な続投。リリーフ陣が苦しい事情も分かりますが、何をしても後手後手。こんなんだったら、まだ「選手の最近の調子」まで私が計算してオーダーを組んだほうがマシだったかも知れませんよ。守備固めしない終盤での逆転負けがいくつあったか。最後の試合までスタメンは病的とも言える左右重視で、最終戦は消化試合の下位球団相手に1安打に封じられて、挨拶も説明もない。
今年は異例ずくめのシーズンでした。FAで出て行くばかりのカープに、黒田と新井が復帰。マエケンも残留。去年の失速の原因ともなった貧打は、破格の補強があったものの根本的には解決してない中での優勝期待。こんなの、カープじゃなくてもあり得ないシーズンです。一方で、去年からの課題であった貧打は根本的には解決されておらず、エルドレッドも痛恨の離脱。誰が使える選手なのか例年にもまして判断しなければならない1年だったんです。監督1年目だから許されるという年ではなかったんです。最終戦でコメントできないぐらいなら、引き受けるべきじゃなかった。きちんと挨拶をして、選手の分の野次も浴びて、一晩明ければ、今シーズンの反省点を総括すべきでしょう。それとも、1シーズンなんの反省もなく借金生活をやってきたのですか?
挙げ句、内田二軍監督と新井打撃コーチを切ったとか? 本当に彼らが原因なの? 古参ファンは納得いってない人多いんじゃないですか?
そんな今シーズンでしたが、期待を持てる選手もいました。なんといっても福井の大活躍。復帰移籍が決まったとき「今更居場所はないよ」と思っていた新井さん、愚かな私を許して下さい。当たり前のように活躍する前田健と黒田。新星ジョンソンも大成功。野手の助っ人は大ハズレの中、波はあれどエルドレッド様々でした。その陰で活躍した松山はもっと使うべきだった。図らずもリードによる差が露呈してしまった會澤も、課題がはっきりした分来年の飛躍が期待できます。いつの間にか守備が別人のように安定した堂林、打撃の方も頑張れ! ルーキーの割には活躍したと野間。抜群の安定感の、菊池・田中・丸の守備(ちょっとエラーも多めの人も居るけど)。他にも鈴木誠也や、ベテランの梵、小窪、まだまだ活躍して欲しい選手がたくさんいます。新井の代走に赤松が出たときは、この二人が赤いユニフォームを着て並ぶことになるとは数奇な運命だと思いました。
来年は黒田も前田も居ないかもしれないなかで、どう戦っていくのか。まずは、データ担当・メンタル担当は専門のスタッフを配置し、コーチ陣も選手の調子を掴める布陣をしいほしいものです。
以上、古参ファンの戯言でした。
おまけ
審判も、球場のネットの有無ぐらい知っとけ。