※この記事は「広島弁 Advent Calendar 2013」の2日目の記事です。前日(1日目)の NeXTSTEP2OSX さんの記事はこちら

 

どちらさんも、おはようがんした。

2日目から、「あんたぁ、誰ねえ?」()う声が聞こえてきそうじゃけ、たちまち自己紹介せにゃあわからんの。

わしは、tsuchim ゆうて、1日目NeXTSTEP2OSX氏とはかなり長ぁこと付き合うてもろうとるんじゃわ。わしも25年ほど実家暮らしで祖父母と同居じゃったけえ、まあ、わしらの世代じゃあ、生粋の広島弁ネイティブじゃ言うてもええんじゃないか思うよ。ほいで、その後、6年ほどニューヨークやら東京にも居ったけえ、広島弁を外から見る機会もそれなりにあったんよね。じゃけえ、なんか面白い事の1つも書けんもんかのう思うて、今日の記事にエントリーしたんよ。よろしゅうに。

 

広島弁を世界言語に押し上げたんは、なんじゃあゆうても、NeXTSTEP2OSX 氏の Apple 吹き替えじゃろう。あの吹き替えを観て思うたんじゃがね、プレゼンしちょる Apple の者(もん)の英語が、「こがいに面白いんよ、こりゃあ凄いんよ」言うて語りかける喋り方で、言うてみりゃあ方言みたいな物言いなんよね。じゃけえ、それを広島弁で吹き替えるゆうのは、ほんまに絶妙じゃ思うたわ。

こりゃあ広島弁に限ったことじゃないんじゃけど、方言()うのは、自分の感情や心に近い言葉じゃ思うんよね。広島の者には広島弁が心の言葉じゃし、他の地域の者も、皆ふるさとの言葉がそれぞれの心の言葉じゃろ。Apple の者の「心からの言葉(英語)」を「心の言葉(日本語)」で吹き替えたんじゃけえ、そりゃあ、心に響くわの。考えてみりゃあ当たり前なんじゃけども、ほんまコロンブスの卵じゃったのぅ。

 

わしらの親の時代は、地方の方言を東京で喋るんはふうが悪いゆうて思ようたもんじゃけど、近頃(ちかごろ)はそういう風潮も変わってきちょるじゃろ。わしはね、方言をもうちいと積極的に使(つこ)うてもええと思うんよ。具体的に言やあね、方言は、キャラ付けに具合のええ道具じゃ思うんよ。わしは、広島じゃのうても、わざとね、ちいと広島弁を混ぜて喋るようにしたんよ。「広島ゆうたら tsuchim」みたいなキャラ付けができんかのう思うてね。ほいで、お土産はいっつももみじ饅頭よね。一番(いっちゃん)有名じゃろう。これが1年もすりゃあ、もみじ饅頭が置いてありゃあ「あ、tsuchim、広島から帰ってきたんじゃ」ゆうて思われたり、「広島ら辺に旅行に行きたいんじゃけど、広島ゆうたら tsuchim じゃろう思うて話聞きに来たんよ」言うてくれる者もでてきたんよ。そしたら仕事以外の部分でも仲良うなれるし、ええことが(おい)かったよ。ほんまに「おいしい広島弁」じゃったわ。

 

ほじゃけど、わざとじゃのうても、ぽっと出る広島弁もあるわね。「ガソリンがみてたけえ、()いでくるわ」なんかは、「みてる」は方言じゃゆうのに気を取られちょったら「注ぐ」がぽろっと出るんよね。しもうた、こりゃあ通じんかったわ、言う事んなるんよね。

ほいじゃが、広島弁は伸ばす音への変化がようけあるね。さっきの「多い」も「オイー」じゃし、対義語は「スクナー」じゃろ? 「はあ、たいぎいけえ、去のうや」は「ハー、タイギーケー、イノーヤー」じゃけえね。(意味は「もう疲れたから帰りませんか」じゃね。)

この広島弁じゃけど、わしが言語学を勉強しょうる者から聞いたんは、古い京都言葉が変化したもんらしいで。こないだ、twitter で、「広島弁は『おじゃる丸』の言葉みたいじゃった」言うてようた者が居ったけど、まんざら間違いでもないんよ。例やあ、さっきの「去ぬる」も、古文で(なろ)うたナ行変格活用じゃけんね。「去ぬる」も「死ぬる」も広島じゃあ今でもナ行変格活用よ。古文と広島弁の関係は、まだまだ書きたいんじゃけど、どようし(なご)うなるけえ、またにしょうかの。

 

なんか、えっと考えんといっさんきに書いてしもうたけど、どがんかったかね? 2日目じゃけえ、まだ方向性もそがいに定まっとらんじゃろう思うて、好きに書いてみたんじゃけど、こりゃあ、広島弁について語るんじゃのうて、広島弁で語っとるだけかわからんね。まあ、まとめりゃあ、やっぱ広島弁に限らんのんじゃけど、「方言は心の言葉」じゃというのが言いたかったことなんよ。じゃけえ、方言はできるだけ次の世代に繋いで行きたいのぅ思うんよ。ほいじゃに、わしは次の世代の前に、嫁さん探さにゃわからんのう。ええがにいかんもんじゃのう。

(どがんしても意味の分からん言葉は @tsuchim に聞いてくんない。)

 

では、明日3日目の方は @maimari_1113 さんです。お楽しみに!

Posted in 雑記
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