About 槌本 裕二

マジック点灯から勢いがあるのかないのか分からない広島東洋カープ。7連勝したかと思えば6連敗(9/11まで)というジェットコースターを走っており、ファンは一喜一憂どころか七喜六憂していることでしょう。

さて、ここでは、話を簡単にするために、今日も負けて7連敗したとしますね! (←怒られそう) ― 追記:7連敗には至りませんでした

7連勝とか7連敗とか、そりゃあもう1シーズンに1回あるかないかの出来事です。ま、7連敗が3回も4回もあれば、もうそのシーズンは絶望的ですからね。

広島東洋カープの平均的な勝率は6割前後で推移しているので、簡単のために、6割に固定して計算していきましょう。

勝率6割の広島が7連勝する確率は、0.6^7 で、2.8% です。では、同じく勝率6割の広島が7連敗する確率は (1-0.6)^7 = 0.16% となります。

これが勝率5割のチームだと、どちらも 0.78% ですから、勝率5割と6割の差がどれだけ凄い事かが分かりますね。

そして、7連勝する確率は 2.8% もあるのに、7連敗する確率は 0.16% しかないので、ここに来ての7連敗となれば、広島ファンにはどれだけショックなこととなるでしょう。

さて、せっかく7連勝の直後に7連敗した(まだしてないけど)わけですから、「7連勝したあとに7連敗する確率」を求めてみましょう。これは、単純なかけ算で、2.8%×0.16% = 0.0046% と、2万分の1の珍事となるわけです。とんでもないことが起きたわけです!!

ペナントレース全体から見れば、ただの7勝7敗

しかし、ペナントレース全体から見ると、結果的には14試合を7勝7敗でぬけただけです。勝率6割の広島が、14試合を7勝7敗で抜ける確率は、14C7 0.6^7 0.4^7 = 15.7% となります。まあ、普通に考えても普通ですよね。

14試合を7勝7敗した時、それが7連勝7連敗になるのは数万分の1ですが、どの順番でかっても勝敗は変わりません。ペナントレースを決める、7勝7敗という結果は、16%ほどで極々普通に起こることなのでした。

7勝7敗ならなんてことないのに、7連勝7連敗だと世界の破滅に感じるのは、勝率6割のチームが7連敗する確率が0.16%しかない上に、心理的にも連勝より連敗のインパクトが大きいので、その相乗効果なんでしょうね。

ロングテイル

しかしながら、実は、7連勝や7連敗の起こる可能性は、この計算よりも頻度が高いのです。完全ランダムな二項分布より、すこし裾野が広がった確率分布をとり、その部分を「ロングテイル」と呼んだりします。このサイトの確率計算でも、このロングテイルの効果を最尤法の中で組み込んで再現しています。

しかし、こんな記事を書いて、本当に7連敗になりませんように…

※言い訳
この新しいエディタで、<sup> <sub> の使い方が分かりません、また分かったら修正しますね。


2018年シーズンも首位を独走するカープ。このデータを見ると、必ず優勝できるパターンが見えてきました! 全ての試合に勝たなくても、この試合だけ勝てば良いのです! 各球団の監督必見です!!

今年のセ・リーグは、カープが首位を独走する一方で、2位以下がめまぐるしく入れ替わっています。2位以下の争いはまだ(9月3日現在)決着がついておらず、ペナントレースを最後まで面白くしています。

めまぐるしく2位が入れ替わる原因は、実はカープにもあるのかもしれません。9月2日までに、カープが1位で迎えた首位攻防戦(2位との対戦)は10カードあります。そのカードの勝敗と終了後の相手チームの順位を見てみましょう

カード初日対戦相手対戦前順位対戦成績対戦後順位
4/3ヤクルト2○●○4
5/1巨人2○×○3
5/22巨人2●○2
6/26巨人2○○○4
7/3ヤクルト2×○×3
7/20巨人2○○○2
7/31ヤクルト2○○●3
8/10巨人2○△●2
8/21ヤクルト2●○○2
8/31ヤクルト2○○○2

なんと、首位攻防戦の10カードで負け越し無し。下位が混戦の時は、一気にBクラスまで押し返したこともあります。

勝率を見てみると、

首位攻防戦        20勝  5敗 1分 の .800
その他の試合    35勝28敗 1分 の .555

と、首位攻防戦にめっぽう強いことが分かります。

せっかくなので、フィッシャー検定をしてみましょう。

> fisher.test(matrix(c(20,5,35,28), ncol=2, byrow=T))
Fisher's Exact Test for Count Data
data: matrix(c(20, 5, 35, 28), ncol = 2, byrow = T)
p-value = 0.04972
alternative hypothesis: true odds ratio is not equal to 1
95 percent confidence interval:
0.9843529 12.1573690
sample estimates:
odds ratio
3.160325

p値は 0.05 を下回りました。これは社会科学などで、偶然では起こりにくい事柄の目安とされている値です。首位攻防戦と、そうでない試合との間で、勝率に統計的に有意な差が認められた、と言えます。この差は、偶然では 5% 以下の確率でしか起こりえず、偶然ではないなにかが作用している可能性が示唆されます。

首脳陣が、戦略的に2位に勝つ布陣を敷いているのか、と言われると、あまりそうは見えませんので、選手達の気合いが入るのか、はたまた、5%の偶然か、この件、選手や監督に訊いてみたいですね!!


西日本豪雨に限らず、水害の多い日本列島。毎日多くのストレージが水に浸かっていることと思います。

幾つかのストレージの復旧をお手伝いさせて貰って思う事。HDDは泥水に浸かると、ほぼダメ、みたいです。元々、HDDのディスクとヘッドは空力で距離をとっているので、完全には密封されていません。穴にシールが貼ってあるものが多いように思います。ここから泥水が入ると、ディスクをバラして、特殊な洗浄をして、クリーンルームで再び組み立てないとダメでしょう。数百万円コースかと思います。

他方、SSDのほうは、アルコールで洗浄して脱水すると、ほぼ(というか全部)動きました。水没時にショートを起こしたりすると壊れることもあるかもしれませんが、SSDは水没にも強いストレージと言えるようです。

Windows Update や、起動時間が劇的に変わるSSD、最近は価格もこなれてきましたし、ちょっと昔のパソコンも、HDD を SSD にアップグレードできます。是非ご相談下さい。


どちらかといえば暗中模索の中で立ち上げた弊社ですが、みなさまのおかげをもちまして、無事第8期に入ることができました。色々なものを10年一区切りで設計しておりますので、あと3年(と少し)で、創業時の「一区切り」を迎えることになります。

10年前とは色々な状況が分かってしまったので、一部は整理しながら、また新しい事に細々と挑戦していきます。

これからどんなサービスが重要になって、どんなサービスが淘汰されていくのか、先を見通すことはますます難しくなっていますが、なんとか、この世界の片隅で、世界を少し良くする仕事ができればと思っています。

今後ともごひいきによろしくお願いします。


「昨日のカレー、作りすぎたので、よかったらどうですか?」

これは、田舎暮らしや、上京したての一人暮らしのアパート(ただし漫画に限る)でよくみられる光景ですね。しかし、これがもっとシステマティックになって、カレーを作りすぎた人とカレーを食べたい人を効率的かつ安全にマッチングできるようになるとどうなるでしょう。(ここでは単純化のため、保健所などの規制は考えないものとします。)

カレーを作りすぎるコストはとても低いです。一方で、カレーを外食するときの販売価格は、そこそこ高いです。もちろん、カレー屋が高すぎるというのではなく、きちんと市販しようと思うとそれなりのコストがかかるのです。

よくカレーを作りすぎてしまうAさんは、カレーを作りすぎた人と、カレーを食べたい人とのマッチングアプリを作りました。家の鍋で一人分を作るのも5人分を作るのもほとんど同じ。ならば、最初から5人分作ってお裾分けしたら良いと思ったのです。カレーを食べるほうも、お裾分け価格で色々なカレーを楽しめるのは、とてもお得です。このアプリはとても流行りました。1年後、その地域の老舗のカレー店は、ひっそりとのれんを下ろしました。

今、巷で起きている第4次産業革命は、こういう事ではないかと思います。

車の相乗り送迎や民泊のマッチングサービスは面白いものですが、いずれも、従来の民宿やタクシーといった専業の方がいらした業種です。それを、素人の提供者と利用者とが、リスクとコストを自腹で抱えることで、その分、安価にしたサービスとも言えると思います。プロが生業として長期的に営業するには、様々なリスクや安全管理コストなども経費として織り込みますので、トータルのサービスコストはどうしても、素人が暇つぶしに提供するものよりは高くなります。一方、それらを束ねる「マッチング会社」は、ここのトラブルのリスクを、当人同士(や保険会社)にリスク分散することが出来ます。当事者が廃業に追い込まれても、顧客の一人が酷い被害を被っても、替わりはいくらでも居ます。そもそも、安価なサービスにフルサービスを要求するなと言う事もできます。

利用者も支払金額こそ少なくてすみますが、電話一本で済むところを、自分で探して手配するコストを払っています。自分はスマホも使えるし、そんなの苦にならない、という方が多いでしょうが、そういう専門技能を無償提供しているのです。他方、提供者も、本来貰えるはずの報酬の一部や、年金などの福利厚生費、リスクを織り込んだ積立などが含まれていない価格で受注しています。その時だけなら良いかも知れませんが、生業でやっていくには、長期的視野に欠けるモデルです。日雇いが基本で貯蓄率の低い国のシステムとも言えるかもしれません。

このような新しいサービスは、こうした「技能やリスクを無料で拠出させる」ことで成り立っているように思います。タダでさえ、日本は、リスクや専門技能に対価を払うことを嫌う風潮があるので、(皮肉にも日本の価値観に合っているのかもしれませんが)、いずれ専門技術全体が、安く叩かれるようにならないか心配です。そうなれば既存の専門職は、技術に見合う対価が得られなくなるので、自由化に反対することは至極当然のように思います。

これまでも、テクノロジーの進歩は、常に専門職を駆逐してきました。電話の自動交換機は電話交換手の仕事を駆逐しましたし、 ガソリンがセルフ給油できるようになりました。 スーパーマーケットのレジも無人になっていきます。

こうした効率的な機械化に伴う省力化とは異なり、第4次産業革命は、リスクと専門技能を、大勢で分散して安売りすることで成り立っているように思います。
これまでのコストカットが、ブラック企業による徹底した人件費削減だとするならば、これらは、人件費を利用者に全て押しつける「トウメイ」ビジネスモデルと言えるのではないかと思います。 利用者もハズレを引けば損をしますし、提供側も、暇だからとうっかり「ひさし」を安価に貸すと、やがて専門技能の価値が社会的に下がり、母屋の価値までなくなることになりかねません。

しかし、この流れを規制で妨げても、世界はどんどん動いていきます。技術に対する収入がきちんと確保できるような制度が必要なのかもしれませんが、今のところ、それを一番上手くコントロールできるのは「公正な市場原理」のような気がします。下手に○○法人に丸投げされた資格認定制度より、「トウメイ企業」による評価制度と市場による淘汰の方がうまく回りそうな気がします。


まとめサイトやメディアなどの記事として引用をされる管理者の皆様へ。
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引用時の出典として表記いただける場合「栄諧情報システム Webサイト版」をお使いいただければと思います。

また、当ページの内容について、下記のような誤った情報(レス・コメント・解説など)が付加される場合については、その直後に編集注等で必ず正しい情報を補足して下さい。

特に、信じる信じないは個人の自由ですが、公の場で嘘つき呼ばわりすることは名誉の毀損にあたります。「あてにならない」「嘘だ」と、弊社の成果物や弊社を(暗黙の)主語にされる場合はご注意ください。


ホンマなんかな?

少なくとも嘘(目的ありきの数字を出すために人為的な調整)は行っていません。
ただし、モデル計算では、人間の全てがモデル化できませんから、現実との乖離は必ずあります。
例えば、怪我での離脱や新戦力の加入、災害、気候、幸運、不運、例年にない過密日程などがモデル外の要素です。


まだ、○○が引き分けて□□が勝てばチャンスある

計算モデルの性質上、他チームの引き分けが絡む局面を数字に反映させるのが難しい事があります。現在は改良が進みほとんど無くなったはずですが、バランスが難しく、さらに改善していきますので、今のところご容赦下さい。


まだ可能性はあるのに、0%とは何事か

有効数字と四捨五入を復習いただければと思います。


ピタゴラス勝率から算出してるだけ

どこでそう思われたのか分かりませんが、ピタゴラス勝率からの計算ではありません。


当たるの?

統計モデルによる確率計算ですので、何かの当たり・ハズレを予知するものではありません。

以前、95%確実になった時点で「当確」という言葉を使っていましたが、言葉の方が一人歩きし始めたので、使うのをやめました。


結局いつ優勝するの?

私は未来予知はできません。統計モデルを用いた確率計算ですので、ご理解頂ける方のみ言及いただければと存じます。


ちょっと前に数%だったのに、数十%になってるものなんてあてにならない

これは、その数%のシナリオを現実が辿って、確率が上がってきたのです。素直に喜べませんかね?


確率が変わる理由が分からない

あなたが確定論者でなければ、「ベイズ推計 事後確率」で検索してみてください。


過去のデータを見てこの状況ならこの先この順位になってることが多いですってだけだから

完全なモデル計算です。過去の順位などは係数の算出に使っていますが、ご意見のような参照は行っていません。


ソフトバンクの優勝をはずした計算など信用ならない

ここで言う「濃厚」「当確」は、あくまで「現状での勝敗状況のまま行くなら、優勝確率が95%を上回った(ここまではp<0.05で有意に優勝ペース)」という意味です。優勝決定を予言するものではありません。 そもそも、確率計算に当たるもハズレるもありません。
「2016年のソフトバンクは、6月まで優勝確実ペースで勝っていたが、優勝できなかった」という事実があっただけです。 ちなみに、2017年まで優勝・CS当確がハズレた例は、

  • 2016/6/3  ソフトバンク 優勝確実
  • 2015/5/16 DeNA CS進出確実

の2回です。

この年のこの時点での各チームの勢いと、その後の大失速をふり返ってもらえば「このまま行けば」の部分が「このまま行かなかった」事が分かります。


去年、99.5%から逆転された

いくらなんでも、ここまでの嘘を流布するのは勘弁して欲しいですね。 もちろん、確率ですので、99.5%から逆転されることもあり得ますが、まだ起きていません。


確率の世界は、迷信の方が優勢だったりします。

  • サイコロを6回振ったら、必ず1回1が出る
  • 降水確率20%で雨が降らない日が4日続いたら、5日目は必ず降る
  • コイントスで、3回連続で表が出たから、そろそろ裏が出る頃

のような気がする気持ちも分かります。
誕生日や血液型で優勝を占うのも自由ですし、下駄を飛ばして占うのも自由です。

ただ、それと、これとを同じ土俵で評価しないで頂きたい。分からないなら分からないで結構ですので、そっとしておいて下さい。


順位確率に戻る


昨日、SSD水没の話を書いていたら、今日、洗濯機の中からUSBメモリが…。どうやら、昨晩、あの記事を書きながら、USBメモリを洗濯していたようです。今回のケースは、もう「すすぎ」まで終わっているので、追加で精製水やアルコールで洗浄するか迷うところですが、外側のプラスチックカバーを壊さずに開けられないので、このままシリカゲルで3日ほど乾燥させてみましょう。それにしてもタイムリーな凡ミス…。

―追記―

十分な乾燥で無事使えるようになりました。データも残っていました。よかった~。


さきほどの「水没したパソコン・データの復旧」で出てきましたが、ストレージの HDD と SSD、時代は SSD になってきています。災害に強いほかにも、毎日の起動が早い、突然故障する確率が低い、などの利点があります。

メーカ保証は切れてしまいますが、お使いのパソコンの環境をそのまま SSD に載せ替えることもできます。ただし、今お使いの HDD より大容量のものが必要になりますので、購入費用が効果になります。場合によっては、容量の少ない SSD に移行することもできますが、お使いの条件によります。

あまりディスクを使っていなければ、容量の少ない SSD に Windows を再セットアップして、データのみ移行する手段もあります。

この機会に、HDD の SSD換装をやってみませんか? 512GB で3万円ぐらいからです。


近年土砂災害に見舞われる広島県、そんな中で水没してしまったパソコンやデータの復元方法をご紹介します。

まず、どちらにしろ、水没した電子機器を救い出したら、すぐに電源と電池(バッテリー)を抜いて下さい。水分が残ったまま通電させると、ケーブルなどを腐食させてとどめを刺してしまうことがありますのでご注意下さい。

水没したパソコンを復活させたい

盗難防止のための暗号化などを用いていた場合、そのパソコンを復活させなければデータは読み出せません。水没してしまったパソコンを動かすには、分解・洗浄して乾燥させる必要があります。。作業は、2~5日、費用は数万円~十数万円かかります。よほど特殊な場合を除いて、新しいものを買った方が安いですが、どうしてもという場合にはご相談下さい。弊社でなくても専門の業者もあります。

データ(デスクトップやマイドキュメント)だけでも復活させたい

パソコンを復活させたい場合、多くは、パソコン本体そのものではなく、内部のデータ(写真や書類など)を復活させたいのではないでしょうか。

データを保存していたストレージ(HDDやSSD)は、電源を失ってもデータを保存しています。ストレージだけを本体から取り出し、洗浄・乾燥させた後に、別の機械でデータだけを読み出すことが可能かもしれません。これも、被害の程度により手法が異なります。また、盗難防止の暗号化を施してある場合、そのパソコンを復活させなければデータも復号できない場合があります。(これが盗難防止機能ですので) 復活させたデータは、外付けHDDでのお渡しになります。

SSD の場合

弊社では、記憶基板をとりだした後、アルコール系溶剤で洗浄・脱水し、読み出せるデータを短時間で読み出した後、正常な機器の上でファイルの復元を試みます。数日で数万円程度の費用になります。機種によっては、ストレージを取り出した後、元通りに組み立てられない物もあります。

HDD の場合

本体は水に濡れたけれど、パソコン内部は少し湿った程度であれば、SSD と同じように措置をします。

泥水にどっぷり浸かってしまった場合には、残念ながら弊社では設備がありませんので、クリーンルームと専用の機材を持つ専門業者に依頼して下さい。この際、HDDが乾燥する前に業者の指示を仰いで下さい。泥が内部の記録版に固着してしまうと、特殊な洗浄でもきれいにできない可能性があります。価格は数十万~数百万円になります。

RAID の場合

NAS やサーバ等で、複数の SSD や HDD を RAID 構成にしている場合には、個別に HDD・SSD のデータを復旧させた後、RAID 構成の再構築が必要です。対象容量の2倍の作業領域が必要になりますので、着手料が高めになりますが、特殊な装置でRAIDを組まれていなければ、数日で復旧できます。実費+数万円の追加費用になります。実費で購入した外付けHDDでのお渡しになります。

復旧の限界

予期せぬ水没時には電源が刺さっていて、バッテリーも装着された状態だと思います。水没でストレージがダメージを負っている場合、一部または全部のデータがそもそも読み出せなくなっている可能性があります。また、内部に水気が残っている状態で電源を入れてしまったりすると、とどめを刺してしまうことがあります。弊社の実績では、必要な情報が取り出せなかった事例はありませんが、2件ほど、極めて深刻なダメージを負っていたものの、奇跡的に必要なデータだけ損傷していなかったというケースもありました。自己判断で操作される前にお呼び頂ければ成功率はぐっと上がります。

一方で、とても手間と技術と時間のかかる作業ですので、どうしても着手時に頂く費用もそれなりにかかりますし、成功・失敗に関われず、その費用はかかります。(早期に断念した場合には安くなりますが…) いずれも日頃のバックアップを大事にして下さい。


花房孟胤「予備校なんてぶっ潰そうぜ」

自分のサービス(仕事)で社会を変えてやる。そう本気で思って行動したことがありますか?

これは、コミュニティ型電子予備校のさきがけであった「manavee」の立ち上げと成長に纏わる、学生起業の顛末を生々しく本人が語った本でした。manavee は、継続不能が宣言された今でも、日本の教育格差を根本から変えうる素晴らしいサービスアイデアだと思います。また、この本を読んでも、その立ち上げや運営に相当な落ち度があったとは思えません。ただただ、こうした思想型ベンチャーと「収益化」の難しさ、「収益化のプロと一緒に立ち上げる難しさ」を感じました。

学生だから考えが甘かった、とも言えるかもしれませんが、アイデアを思いついて実装していく段階では、企業であっても似たようなものだと思います。むしろ、経営体力のある大手企業の方が、最初の採算性など考えずに始められるのではないでしょうか。資金力も無い中で突き進んだ彼の行動力は一流です。そして、教育格差を解消するという大義名分も非常に素晴らしいものです。学生のうちは2~3年費やしてもまだまだ若いので、こういう事を思いついて、行動力があるなら、生まれ変わってもまたやるべきだと思います。

講義をする先生もボランティア、視聴する生徒も無料で視聴できる、ある意味理想の経営ですが、収益化する道筋が見えません。これは、私もビジネスコンペでよく言われることなので、自分のことのように思えました。しかし、大きな理念があるなら、しばらくはそれで突き進めますし、ついてきてくれる人もいます。しかし、規模が大きくなって固定費が大きくなり、参加者のモチベーションもそれぞれとなってくると、これは、ビジネスとして企業体にまとめる段階がやってきます。ここで大事になってくるのが収益化です。収益が上がるから色々な人をまとめることができ、継続可能なビジネスとなります。色んな困難にうまく対処しつつも、こうした変化に対し消極的でありすぎたのかもしれません。

視聴者・ボランティア講師・コアスタッフ・その他関係する方々を、もっとうまく「巻き込む」こと、方々の意見をもっともっと取り込むことの重要性を改めて認識させられました。私も、今までのプロジェクトの中で、うまく力を生かし切れなかった、うまく巻き込めなかった「協力的な人たち」が沢山いましたし、こと、お金に関しては決断できなかったこともありましたので、このあたりは非常に共感できるものがありました。成功している人は、このフェーズで早々と資金を調達し(或いは親が出資したり)ているように思えます。しかし、彼のようなスモールスタートは、決して悪手ではないはずです。

うまくやれば、うまくいったかもしれません。しかし、これを進めれば、やがては既存の予備校グループに組み入れられてしまう結果に終わったように思います。視聴者からも最小限の費用は取ろう、最小限と言っても少しは利益を上げないと継続できない、そうしているうちに、潰そうと思っていた予備校そのものになってしまう未来だった様にも思います。教育格差をなくすのか、教育格差を少し縮めるのか、これは大きな選択です。よく考えてみれば、格差をなくすことはできないので、「どの程度縮められるか」という落としどころを探るしかないのですが、「教育格差をなくす」にこだわり「予備校をぶっ潰そうぜ」と突き進んだのは潔くもあります。

また、支えてくれる女性の存在が、いかに大事なものかも教えてくれます。彼女は、彼を、というよりもmanaveeを好きだったのだと思いますが、彼にとっては大きな存在だったのだと思います。無条件で支えてくれる人が一人いれば、人間は結構がんばれるものです。ただ、先頭を行く人間とは孤独なもので、もっと色んな人の力をうまく借りる努力を、最初のうちからもっと組み込まないといけませんでした。

文体も読みやすく、一気に読める分量です。運営者と共感者の人間関係を中心に、組織の成長と成熟が生き生きと(生々しく?)書かれている良本です。