Back to the Future part II で描かれた日が来ましたね。色々なところで大きな話題になっていて、今でも多くのファンが居るんだな、と改めて思いました。私もこの映画は、続編も全て大好きです。

この30年で、映像技術は大きく進歩しましたが、その割に面白い作品が出ていないのは、スピルバーグ自身も予想してなかったのではないでしょうか。ネタが尽きたという面もあると思いますが、やっぱり、30年前に想像してた2015年って、もっと明るい未来だった気がします。

宇宙旅行は無理だろうけど、東京-NYが2~3時間ぐらいにはなってるかな?
瞬間移動は無理だろうけど、混雑のない靜かな地下鉄が走ってるかな?
核廃絶は無理だろうけど、それなりに均衡のとれた平和な秩序のある世界になってるかな?
貧富の差はあるだろうけど、極限の貧困はなくなっているかな?

なんとなく、そんな明るい、希望の21世紀を夢見ていた時代だったから、この映画が描く未来も(過去も)楽しかった。そんな気がします。

現実に技術の進歩はめざましかったのですが、景気は悪く、人類はもう月へも行けません。戦争はなくならず、混乱地域に軍事介入しては泥沼化をくりかえす。日々の生活に追われるワーキングプアは増加の一途で、暇つぶしにやってる政治活動を絶賛する高給取りのマスコミ。外の社会を見るディスプレイは5インチで、繋がってるのは半分ぐらい誰だか分からない数百人の「トモダチ」だけ。

近未来ものの映画は未来を明るく描ける時代ではなくなってしまいました。

代わりに、というわけではないでしょうが、中世風の魔法ものがヒットしましたね。ところが、舞台が中世ヨーロッパなんだから、白人ばかりのキャストで良いはずなのに、それすらできないご時世。純粋に世界観に入り込んで楽しめる作品は、もうできないのかも知れません。

その点、日本人は、作品は作品、現実は現実の区別が比較的できている社会だと思います。時々混同してしまっている人も居ますけど。これから本当に面白い作品は、日本だけで作られ、日本と一部のotaku達だけのたのしみとなるのかも。

と、ネガティブなことばかり言ってても仕方ありませんね。30年前の未来予想から、予想をはるかに超えて進歩した部分もあり、それは情報通信(ICT)です。この技術を活かして、皆がもう一度明るい社会を夢見ることができたら、まさに、Back to the(that) Future ですね!


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