大阪維新の会の実績は概ね評価されながらも、大阪都構想は2回目の住民投票も否決されました。

私は大阪府民でも大阪市民でもないのですが、だったらこれに言及する権利はないという事はないと思いますので、少し戯れ言を書きたいと思います。


大阪都構想自体は、私は賛成です。メリットがあるから東京市と東京府は東京都になったわけで、大阪も同じメリットを享受すれば良いと思いますし、日本全体としても、東西の二大都市として名実ともに大阪を世界にアピールできたと思います。

ちょっともったいないと思ったのは、大阪維新の会の「メリット」の伝え方だった気がします。

具体的な数字までは覚えていないので、正しい例ではありませんが、大阪府と大阪市の二重行政の弊害として「府と市とが同じような場所に同じような施設を作っている」という時、反対した人の中には「同じようなものが重複しているのは無駄だとは思うけど、うちの近くの図書館や区役所がなくなるのは不便」と思ったのではないでしょうか。

二重行政の解消で何百億円が節約できるのは良いことかも知れないけど、目の前の図書館がなくなると困る。このように、大阪都へのメリットがデメリットとして有権者に伝わってしまった(維新側の言い方が市民目線ではなかった)のではないでしょうか。

本来は「大阪府と大阪市で似たような場所に似たような施設が建設されている。立派な図書館は1つあれば良い(1つは必要)。それを大阪都中央図書館に集約すれば、残りの予算で皆さんの近くに区民図書館が幾つも建設でき、生活はもっと便利になる」と言えれば、風向きはだいぶ変わったのでは? と思ったりします。

それを、財政再建や予算の無駄遣いを強調しすぎた気がします。政治としてはこれも重要な問題ですが、市民生活とは少し遠い話題です。

何もかも2つが1つに減るのではなく、2つ必要な物は大阪都が2つ作るし、効率よく作れば3つも4つも作れる、そういうメリットは無かったんですかね?


もう一つ気になったのが「大阪市が消滅する」という表現でした。これは、反対派がミスリードを誘って使っていたのかもしれません。大阪都構想では大阪市は「行政区分上」消滅しますが「大阪府大阪市□□区○○町」が「大阪都△△区○○町」に変わるだけです。市が都に格上げされ、基本的に町名は変わらないどころか、ほとんどの場合短く簡潔な住所になります。(法改正を経る必要があるでしょうが)

慣れ親しんだ地名が変わることに違和感を覚えることは自然な感情だと思いますが、そんなことでこの大改革の景気を逃してしまったのはとてももったいないことです。大阪(大坂)の街は、それぞれの時代に対応しながら柔軟に繁栄を続けてきました。この時代において「地名(区名)が変わるから」という理由だけで反対していた人達は、本当にもったいない事をしたと思います。


ともあれ、こういう大胆な改革は、勢いがあるときにしかできません。ちょっとした不備の微調整は今後の「普通の」市長や知事でもできます。勢いがあるときに大阪都、やっておいた方が良かったのでは?

もっと言えば、名古屋都構想とか、広島・岡山の合併とか(メリットがあるかどうか分かりませんが)、とにかく様々な議論が出てきた方が、より良い国造りができると思います。