本来は、Webというのは開かれた世界で、どことでも繋がっていることが最大の特徴だったと思います。黎明期には様々なHTMLエディタが登場しました。ホームページビルダーで最初のサイトを作った方も少なくないはずです。

ブログ全盛時代には、今で言うSaaSの先駆けとも言えるようなブログサイトが乱立しました。ジオシティーズで最初のブログを書いて、苦労してアクセスカウンターを設置した方もいらっしゃるでしょう。

様々なソフトウエアやサービスが群雄割拠した時代の終わりには、Webの世界が囲い込みに入ってきます。FacebookのようなSNSも登場し、大きなフレームワークの中のみでシステムが閉じてしまうようになりました。

WordPressへの投稿をFacebookにも反映させたいという要望を受けることが多くあります。SNSへの投稿は重要ですが、私は、自分のサイトへの投稿をそのままSNSにも書き込むことはあまりお薦めではありません。Googleは「同じ情報が複数の場所にある」事を嫌います。SNSには、サイトへのリンク(シェア)を掲載するに留めるのが、原則的には正しい使い方だと思っています。しかし、Googleもまた「囲い込み」のために、Google Mapsに連動した「マイビジネス」の中に情報を書かせようとします。

2020年現在のような「幾つかの分断されたWeb」において、情報発信の最適解ははっきりしません。本質的に「Web」は囲い込みを嫌うはずで、巨大ネット企業の囲い込みは成功もしないでしょうが、しかし、その時々での「流入チャネル」として無視できない存在であり続けると思います。

長期的視点に立てば、自社ブランド(ドメイン)と情報発信の仕組み(サイト)をきちんと確立し、どのような変化が起きても追従できる体制をしっかり固めておくことだと思います。変化は予測できないので、変化することを前提にした仕組みを作っておくのです。

「囲い込み」を目論むグループをまたぐ投稿の共有には、誰もが消極的です。ツールは不完全で、提供側はあまり興味がありません。当然安定的な提供もされません。JetPackに含まれるFacebook連携も、中途半端な仕様となっており、提供側は「どうしても投稿をシェア(共有)したいなら、シェア機能を使え」という事なんだろうと思います。そして、それは正しいと私も思います。

しかしながら、投稿を同期したいという人の気持ちもわかります。投稿同期のための最小限のハックのテストのために、これを書いています。


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