このエントリーは、カープとメガフォンと私 Advent Calendar 2015 の20日目 です。昨日19日は<未定>さんでした。

カープと言えば、長年、広島のローカル球団であって、広島以外にファンは皆無に近いと思われてきました。しかし、昨今、広島県外でのカープファンがメディアに大きく取り上げられるようになり、神宮や横浜などでは外野席の半分をカープファンが埋めるようになりました。

賃金が伸び悩む中で、低予算でやりくりするカープへの支持が強まったという事も言われていましたが、カープの年俸総額は今や球界最下位というわけではありません。もちろんやりくりは上手だと思いますが。

私が行ってみた感触では、神宮や横浜で見るヤクルトファンや横浜ファンの中にも、女性ファンはそこそこ居るんです。でも「おばあちゃんファン」の数が全然違うんじゃないかと思うんですよ。うちの亡くなった祖母は熱烈なカープファンでした。何度も球場に一緒に行きました。広島のお好み焼き屋がそうであるように、広島の戦争からの復興は女性の力も大きく貢献しました。祖母も元祖樽募金に寄付した「元祖カープ女子」でした。

それがなんだ? って話なんですが、子どもが父親や母親と球場に行くとき、父親とはわりと大きくなってから「一緒に」観戦に行くのが多いと思います。ですが「母親」は、自分がカープを見に行くために乳飲み子を連れて行くこともいといません。0歳からの英才教育を施すカープママによって、物心がつく頃には立派なカープファンに育っているんですよね。

祖母の世代から50年、全国に嫁いだ「元祖カープ女子」が、各地でそうした潜在的カープファンを育てており、さらにその娘達は全国に嫁いでいきます。両親の応援するファンが異なると、家庭内は熾烈な勢力争いになりますが、これまでのような多くの家庭では、幼児時代との接触時間が圧倒的に長い母親の方が有利で、意識するかしないかに関わらず、大なり小なりカープへの関わりを持って育ちます。そうやって全国で育てられた「潜在的エリートカープファン」が、今になってメディアに取り上げられ初めて「あれ、東京にもカープファンって結構居るの? じゃあ、神宮に行ってみようかな?」と集まっていくうちに、幼い頃に植え付けられたカープ魂に火がついたのではないでしょうか。

そうであれば、これは案外一過性のものではないかもしれませんよ。

さて、次の21日目は、Masato Miyai さんです。


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